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<閉塞性睡眠時無呼吸症候群>ゼップバウンド(チルゼパチド)投与による血圧への影響は?


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中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の臨床試験である国際共同第3相試験[GPI1及びGPI2試験(SURMOUNT-OSA)]における、収縮期血圧、拡張期血圧の変化は以下のとおりでした。

[解説]

≪GPI1及びGPI2試験(SURMOUNT-OSA)における血圧への影響≫(参考情報)

BMIが30 kg/m2以上(日本人はBMI 27 kg/m2以上)で、AHIが15回/h以上の中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者を対象に、チルゼパチド投与とプラセボ投与を比較した国際共同第3相試験(GPI1及びGPI2試験)において、主な副次評価項目である投与48週時注1)までの収縮期血圧、及びその他の副次評価項目注2)である投与48週時までの拡張期血圧のベースラインからの平均変化量は表1に示すとおりでした。


表1)収縮期血圧及び拡張期血圧のベースラインから投与48週時までの変化量(無作為割付集団)[GPI1及びGPI2試験(SURMOUNT-OSA)]1)


GPI1試験

GPI2試験

チルゼパチドMTD

(N=114)

プラセボ

(N=120)

チルゼパチドMTD

(N=120)

プラセボ

(N=115)

収縮期血圧(mmHg)

ベースラインa)

128.4±12.2

130.3±10.7

130.5±14.3

130.5±12.8

投与48週時までの変化量[95%CI]b)

-9.5
[-11.5, -7.5]

-1.8
[-3.9, 0.2]

-7.6
[-9.7, -5.6]

-3.9
[-6.3, -1.6]

プラセボ群との群間差[95%CI]c)

-7.6*
[-10.5, -4.8]

-

-3.7**
[-6.8, -0.7]

-

拡張期血圧(mmHg)

ベースラインa)

83.7±8.9

84.0±8.6

83.2±8.2

80.5±8.6

投与48週時までの変化量[95%CI]b)

-4.9
[-6.4, -3.5]

-2.1
[-3.6, -0.6]

-3.3
[-4.7, -1.9]

-2.2
[-3.8, -0.6]

プラセボ群との群間差[95%CI]c)

-2.8
[-5.0, 0.7]

-

-1.1
[-3.2, 1.0]

-


a)平均値±標準偏差
b)最小二乗平均値

c)最小二乗平均値の差、ANCOVA

* p<0.001 vsプラセボ群(第1種の過誤の確率を制御した項目)
** p=0.02 vsプラセボ群(第1種の過誤の確率を制御した項目)


注1)GPI2試験における52週時点の気道陽圧(positive airway pressure:PAP)療法中断により、血圧評価に対する交絡が生じる可能性があるため、血圧は48週時点に評価した1)。

注2)信頼区間は多重性の調整がされていないため、推測に使用すべきではない。


血圧の異常低下による悪影響を評価するために、以下の2つのクラスターを使用して解析を実施しました2)。

・「低血圧」クラスター

  ✓低血圧、起立性低血圧、及び血圧低下の有害事象

  ✓低血圧に関連する可能性がある症状に関する用語(失神、失神寸前の状態、体位性めまい)

・「低血圧(狭域)」クラスター

  ✓低血圧、起立性低血圧、及び血圧低下の有害事象


GPI1及びGPI2試験において、「低血圧」クラスター及び「低血圧(狭域)」クラスターの発現割合は以下の表2に示すとおりでした。「低血圧」クラスター及び「低血圧(狭域)」クラスターのいずれも、チルゼパチドMTD群で認められた全ての低血圧関連の有害事象の重症度は軽度及び中等度でした。チルゼパチドMTD群の1/233例(0.4%)で重症度が高度ではない、重篤な低血圧が認められました。プラセボ群の1/234例(0.4%)で重篤かつ高度な失神寸前の状態が認められました2)。


表2)低血圧関連の有害事象の発現割合(安全性解析対象集団、OSA解析セット)[GPI1及びGPI2試験(SURMOUNT-OSA)]2)

クラスター名

基本語

チルゼパチドMTD
(N=233)

プラセボ

(N=234)

低血圧

6(2.6)

2(0.9)

低血圧

3(1.3)

0

血圧低下

1(0.4)

0

失神寸前の状態

1(0.4)

1(0.4)

失神

1(0.4)

1(0.4)

低血圧(狭域)

4(1.7)

0

低血圧

3(1.3)

0

血圧低下

1(0.4)

0

MedDRA/J ver26.1  発現例数(%)



[引用元]

  1. Malhotra A et al. Tirzepatide for the Treatment of Obstructive Sleep Apnea and Obesity. N Engl J Med. 2024;391:1193-1205.(HMN60107)

  2. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.5.5.2.6.7(承認時評価資料)

  3. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.7.6.2(承認時評価資料)

  4. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.7.6.3(承認時評価資料)

  5. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.5.4.5.6.1(承認時評価資料)

  6. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.5.4.2.2.1(承認時評価資料)

  7. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.5.4.2.2(承認時評価資料)

  8. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.5.4.2(承認時評価資料)



[略語]

AHI=無呼吸低呼吸指数

BMI(body mass index)=体格指数

MTD=最大耐用量

PAP=気道陽圧



GPI1及びGPI2試験(SURMOUNT-OSA) 試験概要1,3-8)

試験デザイン

第3相、多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間試験

対象

各試験はともに、BMIが30 kg/m2以上(日本人はBMI 27 kg/m2以上)で、ポリソムノグラフィーによるAHIが15回/h以上の中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者[GPI1試験:234例(日本人7例)、GPI2試験:235例(日本人13例)]


・GPI1試験:PAP療法を望まない又は使用できない患者を対象

・GPI2試験:スクリーニング前に少なくとも3ヵ月連続してPAP療法を実施中であり、試験期間中にPAP療法を継続する予定の患者を対象

方法

MTDとしてチルゼパチド10 mg、15 mg又はプラセボを週1回、52週間皮下投与した。チルゼパチドは、最初の4週間は初回投与量の2.5 mgで週1回投与し、その後MTDに到達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ漸増した。用量漸増期間は最長20週であった。

12.5 mg又は15 mgの用量に忍容できなかった場合、試験の残りの期間の用量は最低維持用量である10 mgとし、最低維持用量を忍容できなかった場合は、チルゼパチドの投与を中止した。

食事のカロリー制限及び身体活動の増加を併せて実施した。


最終更新日: May 2026

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