ベージニオ ® (アベマシクリブ)
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<効能共通> ベージニオ(アベマシクリブ)の副作用「骨髄抑制(好中球減少症・白血球減少症・血小板減少症・リンパ球減少症・貧血)」の発現機序、危険因子は?
CDK4及び6阻害剤に共通する副作用として骨髄抑制が挙げられ、CDK4及び6とサイクリンDとの複合体形成を阻害することが作用機序と考えられています。
[解説]
CDK4及び6阻害剤は、CDK4及び6とサイクリンとの複合体のキナーゼ活性を阻害します。
CDK6-サイクリンD3複合体は骨髄での造血幹細胞の成熟に特に関連しており、造血幹細胞の静止期からの移行を促進することから、CDK6-サイクリンD3複合体のキナーゼ活性を阻害することで骨髄抑制を示すと考えられます1) 2)。
転移性乳癌患者を対象としたMONARCH 2試験及びMONARCH 3試験では、総活性物質のCmax,ss,totalと好中球産生阻害に非線形ながら正の関連性が認められ、アベマシクリブの曝露量の増加に伴い好中球数が減少することが示唆されました3) 4)。
monarchE試験においても同じモデリング手法を用い、好中球数減少の曝露量-反応解析を実施した結果、早期乳癌患者と転移性乳癌患者の総活性物質のCmax,ss,totalと好中球産生阻害の関係は同様でした4)。
また、好中球減少症の発現割合は全体集団より日本人集団で高い傾向が認められましたが、現時点で好中球減少症を含む骨髄抑制の発現に関する危険因子は特定されていません3)。
[引用元]
Asghar, U., Witkiewicz, A. K., Turner, N. C., Knudsen, E. S.: The history and future of targeting cyclin-dependent kinases in cancer therapy. Nat Rev Drug Discov, 14(2): 130-146, 2015(ONC50220)
Malumbres, M., Barbacid, M.: To cycle or not to cycle: a critical decision in cancer. Nat Rev Cancer, 1(3): 222-231, 2001
ベージニオ(手術不能又は再発乳癌)申請資料概要 CTD2.5.5.2.6 (承認時評価資料)
ベージニオ(再発高リスクの乳癌における術後薬物療法)申請資料概要 CTD2.5.3.1.2.1.1 (承認時評価資料)
最終更新日: September 2024
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