レットヴィモ ® (セルペルカチニブ)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
<効能共通>間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者へのレットヴィモ(セルペルカチニブ)投与は可能か?安全性は?
間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者へのセルペルカチニブ投与は、間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがあります。異常が認められた場合には、セルペルカチニブを休薬、減量又は中止するなど、適切な処置を行ってください。
注意:セルペルカチニブの添付文書では「副作用」の集計結果を記載していますが、以下の解説(臨床試験での発現状況)においては、「有害事象」の集計結果を紹介しています。「有害事象」は試験期間中に生じたすべての好ましくない又は意図しない疾病・徴候を意味し、かぜや外傷等も含みます。有害事象のうち治験薬との因果関係が否定できないものが「副作用」と定義されます1。
間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者へのセルペルカチニブの投与は、間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがあります1。
異常が認められた場合には、セルペルカチニブを休薬、減量又は中止するなど、適切な処置を行ってください1。
セルペルカチニブの国際共同第I/II相試験(LIBRETTO-001試験)※の安全性解析対象集団全体において、間質性肺疾患関連事象の発現状況は表に示す通りでした1。
なお、RET fusion NSCLC患者の日本人集団(N=35)において、間質性肺疾患関連事象は認められませんでした1。
2021年7月31日時点において、LIBRETTO-001試験を含む臨床試験や海外製造販売後に重篤な間質性肺疾患が報告されています1。
なお、セルペルカチニブによる間質性肺疾患のリスク因子は明確になっていません1。一般的な薬剤性肺障害のリスク因子として、年齢60歳以上、既存の肺病変(特に間質性肺炎)、肺手術後、呼吸機能の低下、酸素投与、肺への放射線照射、抗悪性腫瘍薬の多剤併用療法、腎障害の存在が挙げられます1,2。
セルペルカチニブの投与にあたっては、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部画像検査の実施等、患者の状態を十分に観察してください1。 患者に副作用について説明するとともに、間質性肺疾患の初期症状が発現した場合には、速やかに医療機関を受診するよう説明してください1。
表 [LIBRETTO-001試験※]
間質性肺疾患関連事象の発現状況及び発現割合1
RET fusion NSCLC (N=180) |
RET altered TC (N=220) |
RET fusion TA (N=53) |
|
間質性肺疾患関連事象a |
1(0.6) |
4(1.8) |
0(0.0) |
グレード3以上 |
0(0.0) |
0(0.0) |
0(0.0) |
肺臓炎b |
1(0.6) |
2(0.9) |
0(0.0) |
グレード3以上 |
0(0.0) |
0(0.0) |
0(0.0) |
胞隔炎b |
0(0.0) |
1(0.5) |
0(0.0) |
グレード3以上 |
0(0.0) |
0(0.0) |
0(0.0) |
放射線による肺損傷b |
0(0.0) |
1(0.5) |
0(0.0) |
グレード3以上 |
0(0.0) |
0(0.0) |
0(0.0) |
例数(%)
データカットオフ日:2020年3月30日(NSCLC/TC)、2023年1月13日(TA)
グレードはNCI-CTCAE ver. 4.03に準じる。
a:SMQ「間質性肺疾患」を含む。ICH 国際医薬用語集(Medical Dictionary for Regulatory Activities:MedDRA)標準検索式(standard MedDRA queries:SMQ)。
b:MedDRA ver. 21.0基本語(PT)
※セルペルカチニブ1回160mgを1日2回経口投与したNSCLC患者(第Ⅱ相パート)、TC患者(第Ⅱ相パート)又はTA患者(第Ⅰ/Ⅱ相パート)
RET
fusion NSCLC、NSCLC:RET融合遺伝子陽性非小細胞肺癌
RET
altered
TC、TC:RET遺伝子異常を有する甲状腺癌(RET融合遺伝子陽性甲状腺癌とRET遺伝子変異陽性甲状腺髄様癌を含む)
RET
fusion TA、TA:RET融合遺伝子陽性固形腫瘍(非小細胞肺癌及び甲状腺癌を除く)
2. 日本呼吸器学会:薬剤性肺障害の診断・治療の手引き 第2版 2018
最終更新日: June 2024
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