オルミエント ® (バリシチニブ)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
<COVID-19>オルミエント(バリシチニブ)のACTT-2試験において、なぜレムデシビルを併用したのか?
ACTT試験はアダプティブデザインを採用しておりACTT-1試験においてレムデシビルの有効性が確認された事から、ACTT-2試験においてバリシチニブとレムデシビルの併用療法がレムデシビル(プラセボ併用)と比較検討されました。
[解説]
※本剤は、国内外の試験成績に基づいて承認されました。このため、一部国内の承認効能又は効果、用法及び用量と異なる成績が含まれています。
<新型コロナウイルス感染症:COVID-19 >
SARS-CoV-2による感染症(COVID-19)入院患者に対する治療薬の有効性及び安全性を評価するため、ACTT試験がアメリカ国立アレルギー・感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases, NIAID)により実施されました。ACTTはAdaptive COVID-19 Treatment Trial を意味しており、アダプティブデザインを採用し、ある治療法が有効であることが判明した場合、その治療法を新たな試験治療と比較する対照群とすることを可能としていました1)2)。
ACTT試験の最初の相としてレムデシビルの有効性をプラセボと比較して評価するACTT-1試験が実施され、レムデシビルの有効性が確認された事からACTT-2試験が実施されました。ACTT-2試験はACTT試験のアダプティブ相であり、バリシチニブ4 mg 1日1回投与とレムデシビルの併用療法の有効性及び安全性をレムデシビル(プラセボ併用)と比較検討しています2)3)。
<参考>
アダプティブデザインは「臨床試験の継続中にその中で蓄積されているデータに基づいて、臨床試験の妥当性やインテグリティを損なうことなく、試験の特徴の変更法を決定する臨床試験デザイン」と定義されています4)。
[引用元]
Adaptive COVID-19 Treatment Trial (ACTT). ClinicalTrials.gov identifier: NCT04280705 Update December 9, 2020. Accessed December 29, 2020.
Beigel, J.H, Tomashek KM, Dodd LE, et al. Remdesivir for the treatment of Covid-19 - final Report.N Engl J Med.2020;383:1813-1826
Kalil, A.C. et al. Baricitinib plus Remdesivir for Hospitalized Adults with Covid-19. N Engl J Med. 2021; 384(9):795-807.
小宮山靖、他.医薬品の臨床開発におけるアダプティブ・デザイン:米国研究製薬工業協会ワーキング・グループのエグゼクティブ・サマリー邦訳. 臨床薬理 2009;40(6):303-310.
[略語]
ACTT = Adaptive COVID-19 Treatment Trial
COVID-19 = SARS-CoV-2による感染症
SARS-CoV-2 = 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2
最終更新日: November 2023
お探しの情報が見つからない場合は、こちら よりお問い合わせください。