以下は適正使用情報として、本邦の承認事項以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤使用に際して、ケサンラ 製品ページ にある最新の電子添付文書をご確認ください
ケサンラ(ドナネマブ)の副作用「ARIA」はどのような患者で起こりやすいか?
ARIA 関連事象について事後にリスクファクター分析を行った結果、APOE ε4 遺伝子型、並びにベースライン時の微小出血、脳表ヘモジデリン沈着症、及び白質病変に、ARIA-E関連事象、症候性ARIA-E 関連事象、及びARIA-H 関連事象との関連が示されました。
[解説]
アミロイド関連画像異常(ARIA)関連事象について事後にリスクファクター分析を行った、海外第Ⅱ相試験TRAILBLAZER-ALZ(AACG)試験及び国際共同第Ⅲ相試験TRAILBLAZER-ALZ 2(AACI)試験(二重盲検投与期間)の併合解析※1注)の結果、アポリポ蛋白E対立遺伝子4(APOE ε4)遺伝子型、並びにベースライン時の微小出血、脳表ヘモジデリン沈着症、及び白質病変に、アミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留(ARIA-E)関連事象、症候性ARIA-E関連事象、及びアミロイド関連画像異常-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症(ARIA-H)関連事象との関連が示されました1,2)。
ドナネマブの重大な副作用であるARIA及び脳出血に関する、禁忌、用法及び用量に関連する注意、重要な基本的注意、併用に注意を要する薬剤、発現状況の情報は、以下の通りです。
※1 AACG試験及びAACI試験のドナネマブ群では、ドナネマブを最初の3回は1回700mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与した(初回承認時の用法及び用量)。
《禁忌》3)
電子添文上、ARIAのリスクが高まるおそれがあることから、ドナネマブ投与開始前に、血管原性脳浮腫、5個以上の脳微小出血、脳表ヘモジデリン沈着症又は1cmを超える脳出血が確認された患者には、投与しないことと規定されています。
《用法及び用量に関連する注意》3)
ドナネマブ投与により、アミロイド関連画像異常(ARIA)としてARIA-浮腫/滲出液貯留(ARIA-E)もしくはARIA-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症(ARIA-H)、又は脳出血があらわれることがあります。
《重要な基本的注意》3)
ドナネマブ投与開始前のMRI検査で重度の白質病変が認められた患者において、本剤の投与を開始した経験はありません。重度の白質病変が認められた患者への投与の可否は、本剤投与によるリスクとベネフィットを考慮した上で、慎重に判断してください。
一般的に高血圧症は脳出血のリスク因子であることから、本剤投与前に高血圧の有無を確認し、高血圧が持続する患者への投与は慎重に行ってください。また本剤投与中は適切な血圧管理を行ってください。
《併用注意》3)
電子添文上、併用禁忌の規定はありません。
しかし、血液凝固阻止剤、血小板凝集抑制作用を有する薬剤及び血栓溶解剤は、ドナネマブとの併用によりARIA-H又は脳出血を助長する可能性があることから、併用に注意が必要です。これらの薬剤を本剤投与前から使用している及び本剤投与中に投与を検討する場合には、ARIA-H及び脳出血の発現にご注意ください。
《AACQ試験におけるAPOE ε4遺伝子型別のARIA発現状況》3,4)
海外第Ⅲ相試験TRAILBLAZER-ALZ 6(AACQ)試験では、アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の患者842例が治験薬を投与されました(安全性解析対象集団※1、投与76週時)。APOE ε4(ホモ接合型又はヘテロ接合型)キャリアの患者では、ARIA-E及びARIA-Hの発現がより高い頻度で認められています。発現頻度は、APOE ε4(ホモ接合型)キャリアで最も高く、次にAPOE ε4(ヘテロ接合型)キャリア、APOE ε4ノンキャリアの順でした(表)。
なお、ドナネマブの投与に際しては、APOE ε4保因状況にかかわらず、電子添文「8.2.1~8.2.3項」及び「11.1.2項」に規定されたMRI検査を含むARIA管理を実施してください。
※1 無作為化後、治験薬を1回以上投与したすべての患者。
表)投与76週時における350mg開始群※1及び700mg開始群※2注)のAPOE ε4遺伝子型別のARIA発現頻度※3(AACQ試験、安全性解析対象集団※4)<サブグループ解析>3)
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350mg開始群 |
700mg開始群注) |
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ホモ 接合型 (N=21) |
ヘテロ 接合型 (N=115) |
ノン キャリア (N=75) |
ホモ 接合型 (N=21) |
ヘテロ 接合型 (N=112) |
ノン キャリア (N=72) |
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ARIA-E |
23.8% (5例) |
15.7% (18例) |
13.3% (10例) |
57.1% (12例) |
24.1% (27例) |
15.3% (11例) |
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重篤なARIA-E |
0.0% (0例) |
0.0% (0例) |
1.3% (1例) |
0.0% (0例) |
0.0% (0例) |
0.0% (0例) |
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ARIA-H |
28.6% (6例) |
28.7% (33例) |
20.0% (15例) |
47.6% (10例) |
31.3% (35例) |
15.3% (11例) |
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重篤なARIA-H |
0.0% (0例) |
0.0% (0例) |
0.0% (0例) |
0.0% (0例) |
0.0% (0例) |
0.0% (0例) |
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※1 ドナネマブを初回は350mg、2回目は700mg、3回目は1050mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与。
※2 ドナネマブを最初の3回は1回700mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与(初回承認時の用法及び用量)。
※3 MRI中央読影で認められたARIA及び治験担当医師により報告されたARIAから頻度を算出した。
※4 無作為化後、治験薬を1回以上投与したすべての患者。
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上記の試験について一部承認外の成績が含まれますが、承認時評価資料のためご紹介しています。 |
《ARIA-E関連事象のリスクファクター分析》2)
AACG試験、AACI試験(二重盲検投与期間)及びAACI試験補遺9の併合解析※1注)において、ARIA-E関連事象とベースライン時のリスク因子についての事後解析を行いました。その結果、APOE ε4保因、脳微小出血数、脳表ヘモジデリン沈着あり及び平均動脈圧高値がARIA-E関連事象のリスク上昇、降圧薬の使用がARIA-E関連事象のリスク低下との関連が示されました(図)。
※1 ドナネマブを最初の3回は1回700mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与(初回承認時の用法及び用量)。
図)ベースライン時のリスク因子とARIA-E関連事象との関連(AACG試験、AACI試験及びAACI試験補遺9の併合解析)2)
※1 多変量ロジスティック回帰モデル。
※2 平均動脈圧は収縮期血圧と拡張期血圧から推定した。
※3 小脳を参照領域として使用した。
注)ドナネマブの用法及び用量は「通常、成人にはドナネマブ(遺伝子組換え)として初回は350mg、2回目は700mg、3回目は1050mg、その後は1回1400mgを4週間隔で、少なくとも30分かけて点滴静注する。」です。
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承認時評価資料に含まれない事後解析データですが、安全性に関する重要な情報が含まれるためご紹介します。 |
[引用元]
ケサンラ申請資料概要(2024年9月承認CTD:2.5.5.4.5.1)(承認時評価資料)
Zimmer JA, et al.: JAMA Neurol. 2025; 82: 461-469(CNS60008)
[略語]
APOE ε4=アポリポ蛋白E対立遺伝子4
ARIA=アミロイド関連画像異常
ARIA-E=アミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留
ARIA-H=アミロイド関連画像異常-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症
Aβ=アミロイドβ
MRI=核磁気共鳴画像
最終更新日: June 2025
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