ケサンラ ® (ドナネマブ(遺伝子組換え))
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ケサンラ(ドナネマブ)の副作用「ARIA」はどのような患者で起こりやすいか?
ARIA 関連事象について事後にリスクファクター分析を行った結果、APOE ε4 遺伝子型、並びにベースライン時の微小出血、脳表ヘモジデリン沈着症、及び白質病変に、ARIA-E関連事象、症候性ARIA-E 関連事象、及びARIA-H 関連事象との関連が示されました。
[解説]
アミロイド関連画像異常(ARIA) 関連事象について事後にリスクファクター分析を行った結果、アポリポ蛋白E対立遺伝子4(APOE ε4)遺伝子型、並びにベースライン時の微小出血、脳表ヘモジデリン沈着症、及び白質病変に、アミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留(ARIA-E)関連事象、症候性ARIA-E 関連事象、及びアミロイド関連画像異常-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症(ARIA-H) 関連事象との関連が示されました1)。
ドナネマブの重大な副作用であるARIA及び脳出血に関する、禁忌、用法及び用量に関連する注意、重要な基本的注意、併用に注意を要する薬剤、国際共同第Ⅲ相試験TRAILBLAZER-ALZ 2(AACI)試験(二重盲検投与期間)での発現状況の情報は、以下の通りです。
《禁忌》
電子添文上、ARIAのリスクが高まるおそれがあることから、ドナネマブ投与開始前に、血管原性脳浮腫、5個以上の脳微小出血、脳表ヘモジデリン沈着症又は1cmを超える脳出血が確認された患者には、投与しないことと規定されています2)。
《用法及び用量に関連する注意》
本剤投与により、アミロイド関連画像異常(ARIA)としてARIA-浮腫/滲出液貯留(ARIA-E)もしくはARIA-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症(ARIA-H)、又は脳出血があらわれることがあります2)。
《重要な基本的注意》
ドナネマブ投与開始前のMRI検査で重度の白質病変が認められた患者において、本剤の投与を開始した経験はありません。重度の白質病変が認められた患者への投与の可否は、本剤投与によるリスクとベネフィットを考慮した上で、慎重に判断してください2)。
一般的に高血圧症は脳出血のリスク因子であることから、本剤投与前に高血圧の有無を確認し、高血圧が持続する患者への投与は慎重に行ってください。また本剤投与中は適切な血圧管理を行ってください2)。
《併用注意》
電子添文上、併用禁忌の規定はありません2)。
しかし、血液凝固阻止剤、血小板凝集抑制作用を有する薬剤及び血栓溶解剤は、ドナネマブとの併用によりARIA-H又は脳出血を助長する可能性があることから、併用に注意が必要です2)。これらの薬剤を本剤投与前から使用している及び本剤投与中に投与を検討する場合には、ARIA-H及び脳出血の発現にご注意ください。
《発現状況》
AACI試験における、APOE ε4(ホモ接合型又はヘテロ接合型)キャリアの患者で、ARIA-E、ARIA-H、及び重篤なARIA-E及びARIA-Hがより高い頻度で認められています。発現頻度は、APOE ε4(ホモ接合型)キャリアで最も高く、次にAPOE ε4(ヘテロ接合型)キャリア、APOE ε4ノンキャリアの順でした(表)2)。
なお、ドナネマブの投与に際しては、APOE ε4保因状況にかかわらず、電子添文「8.2.1~8.2.3項」及び「11.1.2項」に規定されたMRI検査を含むARIA管理を実施してください2)。
[引用元]
ケサンラ申請資料概要(CTD:2.5.5.4.5.1)(承認時評価資料)
ケサンラ電子添文
[略語]
APOE ε4=アポリポ蛋白E対立遺伝子4
ARIA=アミロイド関連画像異常
ARIA-E=アミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留
ARIA-H=アミロイド関連画像異常-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症
MRI=核磁気共鳴画像
最終更新日: August 2024
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